散歩が好きです。大通りより、一本入った裏の道を歩きたくなる。
地図を眺めているだけで、時間が経ってしまう。
「ひとやすみ」という言葉に、昔から惹かれています。
作業療法士として、病気やけがによって、日々の動作に難しさを感じている方の暮らしに関わってきました。
できるようになろうと頑張るなかで、かえって疲れてしまったり、動きを補っている側まで痛めてしまったりする。
もう少し楽に動ける道はないんだろうか。
そう思いはじめたころ、フェルデンクライスの考え方に出会います。
私自身も、小さく、やさしく、ゆっくりと動いてみる。
自分がどう動いているのかに、耳を傾けてみる。
すると、思いがけないところに力が入っていることや、知らず知らず頑張っている自分に気づきました。
その力が少しずつ抜けてくると、小さな動きが目を覚ますように、からだのあちこちがつながって動きはじめる感覚がありました。
もっと頑張るほかにも、できることがあるのかもしれない。
自分のからだで感じたことを手がかりに、患者さんとの関わりのなかでも、楽に動けるやり方を一緒に探すようになりました。
人はどうやって動きを覚え、まわりの世界や人と関わるようになるんだろう。
そのはじまりを知りたいという思いもあって、いまは特別支援学校や児童発達支援センターでも働いています。
子どもたちは、遊びながら、からだを使い、身のまわりのものに触れ、人に働きかけていく。
その姿を見ていると、遊びのなかに、育っていくための大切なことがあるのだと感じます。
こちらが「こうしてほしい」と思うと、遊びが止まってしまうこともある。
その子の「やってみたい」に乗ってみると、思いがけない遊びが生まれ、動きもふくらんでいく。
私も一緒に面白がりながら、人が育っていく道筋を教わっています。
大人のからだでも、子どもの遊びでも、だんだん見る場所が変わってきました。
できない動きだけでなく、いつのまにかできるようになっていた動きのほうへ。
靴下を履く。バランスをとって、からだを折りたたみ、目と手と足を合わせる。
振り向く。椅子から立つ。誰かに手を振る。
何気なくしているけれど、はじめからできたわけではありません。
顔を向ける。手を伸ばす。寝返る。
からだの重さを預けたり、支えたりしながら、まわりの世界に触れていく。
そうして少しずつ見つけてきた動きが、いまの暮らしのなかにも息づいている。
ふだんは、そんな動きの一つひとつを意識していません。
いちいち意識しなくてもできるから、暮らしが進んでいく。
けれど、見過ごしていたところに、そっと光をあててみる。
すると、自分のからだがこんなにいろいろなことをしていたのか、と驚くことがあります。
「うごきの気づき」では、小さく、やさしく、ゆっくりと動きながら、自分の動きに耳を傾けてみます。
いま、自分は何をしているんだろう。
どこが動いて、どこに力が入っているんだろう。
そんなふうに確かめていくうちに、いつもの動きのなかに、気づいていなかったことが見えてきます。
その気づきを手がかりに、動きの選択肢を少しずつ広げていく。
子どもが遊びながら動きを見つけていくように、大人になった私たちも、まだ自分の動きを探っていける。
私自身、そのことに面白さと希望を感じています。
日常のなかでふと立ち止まり、自分にとって心地よい動き方を見つけていく。
そんな「ひとやすみ」を、暮らしのあちこちに置いていけたらと思っています。
ひらいてきた場
小さな動きの場2020年〜・オンライン
声にさそわれて、小さく動いて、感じる。毎週ひらいてきたレッスンは、通算400回をこえました。
個人セッション
大人にも、子どもにも。その人のからだとペースに合わせて、一緒に動きを探る、一対一の時間です。
ワークショップ2018年〜
小さなお寺で。芝生の上で、赤ちゃんのように寝返る。おやつを食べながら、からだをゆるめる。場所とテーマを変えながら、ひらいてきました。
企業・行政・学校での講座や研修
企業の健康講座、市の生涯学習講座、専門学校での講義、リハビリ職向けの研修なども行っています。
作業療法士
フェルデンクライス・メソッド®︎ 国際認定プラクティショナー
企業・団体・学校での研修やワークショップのご相談も、お受けしています。
おたよりポストから、お気軽にどうぞ。