通り過ぎていく動きをよく眺めてみると、いつもの一日が、すこし違って感じられることがあります。

「うごきの気づき」は、その小さな出来事を、暮らしのあちこちに置いていくための、こころみです。

一日のうち、たいていの動きは通り過ぎていきます。
靴下を履く。自動改札を通る。扉を開ける。

今朝、靴下を履いたとき、どんな格好をしていたでしょう。
足を持ち上げたのか、身体をかがめたのか。
履いたことはわかっていても、どう履いたかは、案外思い出せません。

毎日、自分でしているのに、気に留めないまま過ぎていく。
そんな動きが、暮らしを支えています。

この文章を読んでいる今も。
言葉を追って、目が動いています。
行の終わりから、次の行のはじめへ。
文章を読んだことは覚えていても、
目が動いたことは、ほとんど気に留めません。

いつもの動きは、その人の暮らしを方向づけています。

私は、作業療法士として、人の身体と暮らしに関わってきました。
また、フェルデンクライスメソッドのプラクティショナーとして、自分の動きを感じ、そこから学ぶことを大切にしています。

日々の何気ない動きには、その人が身につけてきたやり方があります。
どう手を伸ばすか。どう身体を支えるか。
いつもそうしていることにも、まだ自分の知らないところがある。
私は、そこに興味があります。

気づくきっかけを、暮らしのあちこちに。

文章や音声、小さな問いかけを通して、いつもの動きを眺めるきっかけをつくっていきます。

読み終えたあと、扉に手をかけたとき。
ふと、自分がどう動いているか気になる。
そんな小さな気づきを通して、この場が、それぞれの暮らしにつながっていけばと思っています。

まどをのぞいてみる